2026年6月23日、東京商工会議所 江東支部主催のオンラインセミナーに登壇しました。
今回のテーマは、
「~令和8年1月改正 下請法は取適法へ~
『適正取引で会社を守る!発注側・受注側双方が知るべきポイント』」
です。
取適法をテーマとしたセミナーはまだ開催例が多くないこともあり、事業者の皆さまから高い関心をお寄せいただきました。当日は50名を超える方からお申し込みをいただき、満員御礼での開催となりました。
ご参加いただいた皆さま、また開催に向けてご準備いただいた東京商工会議所 江東支部の皆さまに、心より御礼申し上げます。
下請法から「取適法」へ
従来の下請法は、2026年1月1日から「中小受託取引適正化法」、通称「取適法」へと改正されました。
今回の改正は、単に法律の名称が変わっただけではありません。
価格転嫁と取引の適正化を進めるため、適用対象となる事業者や取引の範囲が広がるとともに、発注側に求められる対応も強化されています。
セミナーでは、まず、従来の下請法と取適法の違いについて整理しました。
そのうえで、発注側に求められる義務や禁止行為、受注側が自社を守るために確認しておきたいポイントについて、実務に即して解説しました。
特に取適法では、受注側から価格協議の申し出があったにもかかわらず、発注側が協議に応じなかったり、必要な説明をしなかったりしたまま一方的に代金を決定する行為が禁止されています。
発注側・受注側の双方が知っておくべき法律
取適法は、受注側だけが知っていればよい法律ではありません。
発注側にとっては、これまでの取引条件や発注手続、支払方法などに問題がないかを改めて確認する必要があります。知らないまま従来どおりの運用を続けると、法令違反となる可能性もあります。
一方、受注側にとっては、自社にどのような権利があり、発注側にどのような対応を求めることができるのかを理解することが重要です。
発注側・受注側の双方がルールを理解することが、トラブルの防止だけでなく、長期的で良好な取引関係の構築につながります。
取適法を価格転嫁の交渉に活かす
今回のセミナーでは、法律の解説だけでなく、取適法を価格転嫁の交渉にどのように活かすかについてもお伝えしました。
原材料費、エネルギー価格、人件費、物流費などが上昇する中、受注側が自社だけでコスト増加を吸収し続けることには限界があります。
一方で、単に「価格を上げてほしい」と伝えるだけでは、発注側から理解を得ることは簡単ではありません。
価格改定が必要となった理由やコスト上昇の状況を整理し、根拠を示しながら、発注側と丁寧に協議することが重要です。
取適法を「違反を指摘するための法律」としてだけ捉えるのではなく、発注側と受注側が適正な取引条件について話し合うための土台として活用することが、円滑な価格転嫁につながります。
適正な取引が会社を守る
適正な取引環境を整えることは、受注側の利益を守るだけではありません。
発注側にとっても、法令違反や取引先とのトラブルを防ぎ、安定したサプライチェーンを維持するために欠かせない取り組みです。
今回のセミナーを通じて、取適法や価格転嫁に対する事業者の皆さまの関心の高さを改めて実感しました。
今後も、中小事業者の皆さまが安心して事業を継続し、成長していけるよう、法改正や金融、資金繰り、価格転嫁など、経営の現場で役立つ情報を分かりやすくお伝えしてまいります。
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
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