今回は、資金繰り対策として、「事業性評価融資」について説明します。
金融機関は融資について、決算書に基づく財務状況や担保・保証の有無で決めていく傾向がありました。個別の審査基準に多少の差異はありますが、財務状況を評点にして、その評点が良ければ融資が通り、悪ければ通らないというスコア重視のスタンスでした。
しかし今後は財務状況主体の判断から、将来の事業性を評価する「事業性評価融資」という融資手法へとトレンドが変わっていきます。事業性評価融資とは「 金融機関が現時点での財務データや保証・担保にとらわれず、企業訪問や経営相談を通じて情報を収集し、事業の内容や成長可能性などを適切に評価すること」(「円滑な資金供給の促進に向けて」2015年7月金融庁より)です。
金融庁主導で進めているので、政府系金融機関ではすでに事業性評価融資が盛んに行われています。それに追随する形で民間金融機関も事業性評価を重視するようになってきています。
通常の決算書に基づく定量審査に加えて事業性を詳しく見て評価するもので、決して事業性の良し悪しだけで融資の可否が判断されるわけではありませんが、中小企業にはメリットが大きいと言えます。成長途中にある会社は十分な事業実績や資産をもっていないことが多々ありますが、事業内容や成長の可能性を評価してもらえれば融資の可能性が高まるからです。
中小企業には「目立たないけれども魅力的な事業」を行っているところがたくさんあります。そういう事業者にもより着目して光を当てて、融資でサポートしていこうということがこれからの流れになります。
事業性の評価には金融機関共通の指標があるわけではありません。金融機関ごとに何に重きを置くかは違います。「この会社は将来性があるか」「事業の強み・弱みは何か」などを独自に判定していくことになるので、金融機関にとっても「目利き力」が問われています。そのために、コーチングの研修を行い、より詳しく事業内容を聞く力を養っている金融機関もあります。
ただし、金融機関の対応はケースバイケースであり、自社が融資を受けられるかどうか不安などのご相談も行っております。金融機関経験者の視点で親身に対応します。初回相談は無料ですので、お問い合わせください。
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