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【価格転嫁交渉を成功させる3つのコツ】

価格転嫁(かかくてんか)とは、エネルギー価格や原材料費、人件費などのコスト上昇分を製品やサービスの価格に転嫁することです。「仕入れ価格が高くなったなら、価格交渉などを通して価格転嫁する」というのは自然な流れのように感じます。しかし、中小企業や小規模事業者が実際に価格転嫁をしていくのは一筋縄ではいきません。

帝国データバンクの集計では、仕入れ価格の上昇や価格転嫁できなかったことを倒産の理由に挙げた企業数は、2021年度の136件でした。それが2022年度では463件と前年の3.4倍となりました。特に2023年3月は単月で67件と過去最多を記録した状況です。

そこで、本コラㇺでは、価格転嫁交渉のコツをお伝えし、中小企業や小規模事業者の資金繰り改善にお役に立てれば幸いです。

1.原価を示した価格交渉
価格上昇の根拠を示して交渉することです。販売先に価格交渉するためには、自社の要望だけではなく、交渉の下地となる客観的な価格資料を準備することが重要です。

埼玉県は、円滑な価格転嫁を促進するため、企業が価格交渉を行う際に活用できる「価格交渉支援ツール」を提供しています。このツールを使用することで、企業間で取引される様々な原材料やサービスの価格について、自由に選択した上で、価格の推移と増減をグラフ化したチラシを作成可能となります。

<埼玉県 価格交渉支援ツール>

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0801/library-info/kakakukoushoutool.html

価格支援ツールをダウンロードして、起動します。そして、「業種」または、「品目」を選択します。価格上昇率のデータが表示されるので、印刷して資料とすることができます。ただし、使用には埼玉県ホームページへのリンクである旨を明記する必要があります。

〇建設業の例  出所:埼玉県 ホームページ

2.取引先への価格改定の通知
ここは、取引先への販売価格設定において、自社で決定できる場合を示します。とはいえ、値上げせざる得ない状況や一定期間を経て実施する旨をできるだけ丁寧に説明することが大事です。昨今の状況では、1回ではなく、複数回値上げせざる得ないことが考えられることから、引き続きご愛顧いただける通知を心がけましょう。

〇BtoC(消費者向け) 告知例

3.取引価値として伝える

投資家のウォーレンバフェット氏は、「価格とは自分が支払うもの、 価値とは自分が得るもの」と言っています。まさしく、価格とは、商品につけられた値段のことで、商品やサービスを得るために、対価として支払うお金であり、価値とは、商品やサービスが自分に与えてくれる効果、機能、満足感のことです。

そのためには、取引先に対し常日頃からの情報・サービス提供により、取引する価値を高めることが大事です。取引価値が認められれば、価格を上げても取引先は対価を支払うでしょう。

また、仕入れから販売までのサプライチェーン全体として付加価値を上げることにより、取引先との共存共栄を目指す取り組みも有効です。

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